Shopee(ショッピー)とは?
Shopee(ショッピー)は、シンガポールに本社を置く大手テック企業・Seaグループが2015年に立ち上げたオンラインマーケットプレイスです。主に東南アジアおよび台湾を中心にサービスを展開し、インドネシアやタイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム、シンガポールといった国々で急速にユーザー数を拡大しています。
Shopeeの特徴と強み
モバイルファースト戦略
Shopeeはスマートフォンを主軸としたモバイルファースト戦略を採用しており、スマホ操作に最適化された直感的で使いやすいUIが特徴です。また定期的に開催される大規模なセールやクーポン施策などを展開し、特に若年層から高い支持を得ています。
積極的なマーケティング展開
Shopeeのマーケティングは非常に強力で、クリスティアーノ・ロナウドやジャッキー・チェンといった世界的なスターを起用したテレビCMやSNS広告が大きな話題となり、設立からわずか数年で東南アジアを代表するECプラットフォームへと成長しています。
Shopeeのサービス詳細
低コストの販売手数料
Shopeeは出店料や月額利用料が無料で、販売にかかるコストも売上の約3%の手数料に約2%の決済手数料を加えた合計約5%前後と、非常に低コストで利用できます。
自社物流網「Shopee Logistics Services」
Shopeeは、自社の物流ネットワークである「Shopee Logistics Services(SLS)」を整備しており、物流インフラが不十分な地域においてもスムーズな商品配送を実現しています。SLSは、出店者から集荷した商品を各国の倉庫や配送センターへと輸送し、現地の提携配送業者を通じて消費者のもとへ届ける一貫体制を構築しています。日本からの出荷にも対応しており、指定の国内倉庫へ商品を送るだけで東南アジア各国への配送が可能となるため、国際物流に不慣れな事業者でも安心して利用できる仕組みが整っています。
柔軟で安心な決済
システム決済面では、クレジットカード、銀行振込、電子マネー、代引きなど、各国で一般的に使用される決済方法に対応。さらに独自の電子ウォレット「Shopee Pay」を提供しており、すべての決済はエスクロー方式(Shopee Guarantee)で安全に管理され、購入者も安心して利用可能です。
日本市場向けの取り組み
Shopee Japanの設立
2020年には日本市場への本格進出を目的としてShopee Japanが設立され、日本企業に向けたローカライズ対応が進行。管理画面や操作ガイドの一部日本語対応が行われ、国内事業者がよりスムーズに出店できる環境が整えられています。
Shopee Logistics Services(SLS)を活用した日本企業の支援
Shopeeは独自の物流ネットワークであるShopee Logistics Services(SLS)を活用し、日本から東南アジア各国への配送を円滑にサポート。輸送手配の簡略化により、日本企業が越境ECを効率的に展開できる体制を提供しています。
東南アジアにおけるShopeeの市場シェアと各国動向
Shopeeは、東南アジアのEC市場においてトップシェアを誇るプラットフォームです。2023年の調査によると、同地域でのシェアは約48%に達し、流通総額(GMV)はおよそ8兆円を記録しました。月間アクセス数も3億4,300万件を超え、主要な競合他社を大きく引き離す結果となっています。
各国におけるShopeeの市場シェアと存在感
インドネシア
インドネシアは東南アジア最大のEC市場であり、Shopeeは月間訪問数2億3,700万件を記録しています。TokopediaやBukalapakといった現地企業との競争が激しい中でも、依然として市場トップの座を維持しています。
タイ
タイではShopeeが最大手として君臨しており、市場シェアは約50%に達します。特に毎月開催される「ダブルデーセール」では、Lazadaを上回る取引量を記録するなど、強力な集客力を発揮しています。
フィリピン
フィリピンではShopeeが約46%の市場シェアを保持し、月間のサイト訪問数は約6,900万件に達しています。2015年のサービス開始から急速にシェアを拡大し、主要プラットフォームの地位を確立しました。
マレーシア
マレーシアでもShopeeは約43%のトラフィックシェアを誇り、月間アクセス数は約8,400万回にのぼります。多言語対応や豊富な決済手段により、幅広いユーザー層に支持されています。
ベトナム
ベトナム市場ではShopeeがシェア約68%を占め、圧倒的なリーダーとしての地位を築いています。ライブコマース機能や定期的なセールが若年層に高く評価されています。
シンガポール
本社を構えるシンガポールにおいても、Shopeeは28%の市場シェアでトップを維持しています。AmazonやLazadaなど他のグローバル競合を凌駕する成長を遂げており、国内ECの中心的存在となっています。
Shopeeへの参入のメリット
Shopeeを活用すれば、国境を越えて数億人規模の消費者へ自社商品の魅力を直接届けることができます。特に、インターネット利用者の増加と購買意欲の高まりが続く東南アジアでは、新たな顧客層の獲得チャンスが多く、将来的な事業成長の軸として大きな可能性を持った市場といえるでしょう。
低コストで始めやすい
Shopeeは、初期費用や月額固定費が一切不要で、販売が成立した場合にのみ数%の手数料が発生する仕組みを採用しています。出品のハードルが低いため、テスト的な少量出品からでも参入できるのが特徴です。他の国内大手ECモール(Amazonや楽天など)と比較しても、出店時のコスト負担が軽く、越境ECを始めたい企業にとっては非常に親和性の高いプラットフォームと言えるでしょう。
決済・物流の安心サポート
Shopeeでは、各国で一般的に使用されている多様な決済手段に対応しており、売上金はShopee側で一括管理・回収されるため、通貨や支払い形式の違いを意識する必要がありません。また、Shopeeの物流サービス(SLS)を活用すれば、集荷や現地配送を提携業者に任せることができ、出品者は指定倉庫に商品を送るだけでスムーズな取引が可能になります。
豊富なプロモーション機能
Shopeeでは、割引クーポンの発行、バウチャー配布、フラッシュセールへの参加、キーワード広告、ブースト機能など、多様なプロモーション施策が利用可能です。これらの機能はすべてプラットフォーム内で完結し、限られた予算でも効率的な集客と販促が実現できます。さらに、「Shopee Live」を活用すれば、ライブ配信を通じて商品をリアルタイムで紹介でき、新たな販売手法に取り組みたい企業にとっても魅力的な選択肢となります。これらのツールを上手に活用することで、PDCAを回しながら、売上の着実な拡大を目指すことが可能です。
このように、Shopeeでの販売開始は初期リスクが低く、東南アジアという成長市場にスムーズにアクセスできる有力な手段となります。一方で、実際の運用に際しては解決すべき課題もあるため、それらに対する準備と理解が重要です。
Shopee導入時の難しさ・よくある障壁
魅力の多いShopeeですが、海外市場向けの越境ECである以上、運用面ではいくつかの難題に直面します。日本企業がShopee出店・運営する際に感じやすい代表的な障壁を整理します。
言語・ローカライズの壁
最も大きなハードルは言語や文化の違いです。商品タイトル・説明文からカスタマー対応まで、基本的に現地の言語で行う必要があります。各国の言語に翻訳する作業や、多言語での問い合わせ対応は、リソースがない企業にとって負担となります。また、宗教・文化的背景や現地の祝祭日への理解も欠かせません。プロモーションのタイミングや商品画像・表現ひとつ取っても、現地の慣習に合わせないと消費者の心を掴めないことがあります。このように、言語・文化面のローカライズ対応は避けて通れない課題です。
現地オペレーションの負担
Shopeeでは受注処理や配送手続き、返品・返金対応、カスタマーサポートなどの業務が発生します。国内ECと違い、時差や距離がある中で現地オペレーションを自力で管理するコストは小さくありません。特に注文が増えてきた場合、各国の物流網に対応して商品を迅速に届けるには、現地倉庫の活用やローカル配送業者との連携も視野に入れる必要があります。また、返品対応では現地に返品窓口を用意するか、日本までの返品送料を負担するかといった検討も必要でしょう。これらを日本から遠隔で行うには限界があり、売上拡大に伴い現地スタッフの採用やシステム導入など初期投資が増大する可能性があります。
法規制・制度の違い
東南アジア各国はそれぞれ輸入規制や税関手続き、許認可・商標制度などの法規制が異なるため、販売する商品によっては事前に確認・対応が必要です。例えば、国によっては化粧品や食品に現地語表記の成分表示義務があったり、電子機器に技適認証のような承認が必要な場合もあります。また、高額商品だと関税や消費税が課されることもあります。各国固有の規制対応を怠ると、商品が税関で止まる・出品停止になるなどのリスクがあります。越境ECでは法務・物流面の調査とコンプライアンス対応が不可欠です。
手数料構造・利益管理
Shopee自体の手数料は低めとはいえ、収益管理の難しさも考慮すべきです。売上に対してプラットフォーム手数料や決済手数料が差し引かれるのに加え、国際送金の為替手数料や、プロモーションに参加すれば割引費用、必要に応じて広告出稿費なども発生します。さらに越境配送の場合、送料や通関費用を誰が負担するかによって利益率に影響します。特に低単価の商品だとこれら諸費用で利益が圧迫されやすく、価格設定戦略を誤ると赤字になる可能性もあります。国ごとに異なる手数料体系や物流コストを把握し、綿密にシミュレーションしておくことが重要です。
競争の激化とブランディング
東南アジアのオンライン市場は競争が激しく、Shopee上にも無数の出店者が存在します。現地には低価格で大量に販売するローカル事業者も多く、後発で参入する日本メーカーが埋もれてしまうリスクもあります。単に出品するだけでは、同種の商品が乱立する中で差別化するのは容易ではありません。プラットフォーム内での評価(レビュー)やフォロワー数を地道に積み上げて信用を得る努力や、SNSを活用した集客なども求められます。また、モール上では自社サイトほど自由にブランディングできず、レイアウトや販促方法に一定の制約があるため、ブランドイメージの構築が難しい面もあります。自社の強みを打ち出しつつ、現地ニーズに合った商品ラインナップ・マーケティング施策を講じないと、せっかく進出しても思うような成果が出せない恐れがあります。
専門コンサル・販売代行を活用する
Shopeeへの出店を検討する日本企業にとって、経験豊富な越境ECコンサルティング会社や運営代行サービスを活用することは、大きな助けとなります。ここでは、当社Global Strideのような東南アジアEC支援の専門企業を利用する主なメリットをご紹介します。
スムーズな出店準備と迅速な市場参入
専門業者はShopeeでの店舗開設手続きや初期設定のノウハウを熟知しているため、短期間での出店準備完了が可能です。商品登録、翻訳、決済アカウントの開設、物流手配など煩雑なプロセスを代行し、自社担当者の負担を軽減します。特に現地企業との協業により、すでに確立された物流網や顧客対応フローを活用できるため、市場参入までのリードタイムが大幅に短縮されます。
現地市場に合わせた徹底したローカライズ
現地に精通したプロフェッショナルが、言語翻訳だけでなく、文化や商習慣に合わせたマーケティングを支援します。商品ページのローカライズ(現地の言葉遣いや人気キーワードの反映)、現地の祝祭日に合わせた効果的なプロモーションの企画など、自社だけでは気づきにくい細かなポイントまで最適化を図ります。また、現地語で迅速に対応するカスタマーサポートにより顧客満足度を向上させ、レビュー評価やリピート率アップを実現します。
運営の継続的サポートと売上向上への最適化
Shopee出店後も、受注処理、在庫管理、売上データ分析、広告運用などの日々の運営業務をプロが継続的にサポートします。特に、Shopee内のアルゴリズム変更や新機能への対応といった最新の運用ノウハウを取り入れ、店舗運営を最適化します。売れ筋商品の分析、価格戦略の見直し、競合調査に基づく具体的な施策の提案など、PDCAサイクルを回し続け、継続的な売上拡大を実現します。これにより、企業は商品開発や戦略立案など本来の業務にリソースを集中できるようになります。
リスクと初期コストの軽減効果
専門パートナーを利用することで、自社単独で出店する場合に比べて初期投資や人的コストを大幅に抑えられます。現地物流拠点の構築やスタッフ配置をゼロから行う必要がないため、小規模からのスタートが可能になります。また、現地の法令順守やトラブル対応なども代行会社が支援するため、安心して事業を進められます。越境EC特有のリスクを分散し、安定したキャッシュフローを確保することも可能です。万一トラブルが発生した場合でも、現地ネットワークを活用して迅速に対応できることも、専門業者に依頼するメリットです。
成功の鍵は現地事情に精通したパートナー選びから
Shopeeを活用した東南アジア展開では、現地の言語・文化の壁を乗り越え、迅速かつ確実な市場参入を実現するために、現地事情に詳しいパートナーの存在が重要になります。当社Global Strideは、東南アジア各国のShopee運営支援、ローカライズ戦略立案、マーケティング施策代行など、幅広い支援サービスを提供しております。
もし、「自社商品を東南アジアのShopeeで販売してみたいが、何から手を付けてよいか分からない」という場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。豊富な実績を持つプロフェッショナルチームが、市場調査から出店・運用改善までトータルでサポートし、貴社のグローバルビジネス展開を力強く後押しします。