日本の化粧品をヨーロッパに輸出する方法:必要な手続きと規制対応

はじめに


日本の化粧品は、その高品質と技術力で世界中から評価されており、特にヨーロッパ市場での人気が高まっています。たとえば、Amazonヨーロッパでは、資生堂やKOSE製品が毎月数万件以上販売され、日本ブランドへの需要が急速に増加しています。

しかし、ヨーロッパに化粧品を輸出するには、いくつかの重要なハードルをクリアする必要があります。今回は、輸出に必要な手続きや規制、費用や時間について詳しく解説します。

ヨーロッパでの化粧品規制をクリアする


ヨーロッパ市場での化粧品販売において、最も大きな課題となるのが成分規制です。EUでは、発がん性や突然変異を引き起こす可能性がある成分が禁止されています。また、2009年以降に動物実験を行って作られた成分の使用が全面的に禁止されており、特定の色素や防腐剤、紫外線吸収剤も厳しく規制されています。

これらの規制に適合するためには、製品の成分リストを細かく確認し、禁止されている成分が含まれていないかどうかをチェックすることが重要です。日本国内で使用が認められている成分でも、EUでは禁止されていることがあるため、成分の詳細な確認が欠かせません。

化粧品ラベル表示の要件


ヨーロッパでは、化粧品のパッケージに対して厳しいラベル表示要件があります。消費者に対して適切な情報を提供するため、以下の項目がラベルに必ず記載されている必要があります。

  • EU内の責任者の名前と住所
    責任者は、製品の安全性に対して法的責任を負う者であり、EU内に拠点を持つ必要があります
  • 輸出元の国
    製品がどこから輸出されたかを明示する必要があります。
  • 定格容量
    製品の正確な容量が表示されていなければなりません。
  • 品質保持期限
    使用期限や適切な保管方法に関する情報を消費者に提供する必要があります。
  • アレルゲン
    原材料にアレルゲンが含まれる場合は、アレルゲン表示をしなくてはなりません。

日本国内のラベルと異なる点が多いため、ヨーロッパ向けのパッケージデザインとラベルを慎重に調整する必要があります。

CPNP登録


化粧品をヨーロッパ市場で販売するには、CPNP(Cosmetic Products Notification Portal)という化粧品情報管理システムへの登録が必須です。EU内で化粧品を販売する前に、すべての製品をこのシステムに登録し、EU委員会に情報を提出することが求められています。

CPNP登録には、以下の情報が含まれます:

  • 製品カテゴリおよび製品名
  • 責任者の情報
  • 出荷元および販売先の国
  • ナノマテリアルや発がん性物質の使用に関する情報
  • ラベルとパッケージの写真

この登録手続きは、EU内に拠点を持つ企業にしか行えないため、日本企業は申請代行業者を利用するケースが一般的です。1商品あたり約80万円〜100万円の費用がかかり、承認までに半年から1年の時間がかかることもあります。

VAT(付加価値税)登録


ヨーロッパで商品やサービスを販売する際には、VAT(付加価値税)が課されます。EU各国のVAT税率は異なりますが、化粧品には標準税率(例:ドイツ19%、フランス20%)が適用されます。

日本企業が現地で一定の売上を超えた場合、VAT登録が必要となります。申請には数週間から数ヶ月かかり、申請代行業者を利用する場合の費用は1カ国あたり約30万円が相場です。

VAT登録後は、消費者から徴収したVATを現地の税務当局に定期的に申告・納付する義務が生じます。罰則を避けるために、代行業者を活用して適切な管理を行うことが推奨されます。

最後に


株式会社Global Strideは、海外への販路開拓を専門とする輸出代理店です。
EU進出に関するご相談やサポートが必要な際は、ぜひお気軽にお問い合わせください!

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